イタリア留学記(第2報) 浅井 聡司
Buongiorno tutti. Come stai?
イタリアに来てから約半年が経ちました。前回書いたのが、来て1ヶ月の時だから状況は大分変わったと思います。
まず7月にクルマをゲットして、それによって行動範囲が広がりました。(それまでバスと徒歩で動いていたので…)
買い物や職場にもクルマで行くようになりました。今でこそ言えますが、当時重い買い物袋を持ちながら歩いたり、長く歩いた影響で元々の腰ヘルニアによる座骨神経痛が発症して、持参した大量のNsaidsやリ○カにも手を出したのだけど日々の立ちっぱなしや歩きっぱなしによって当然改善せずに、サンマッテオ病院でMRIを施行して(ヘルニアが大きくなっている)、おしりに高力価ステロイド数回打たれて(by Benazzo教授)これで良くならなかったら「subisci un’operazione(手術を受けろ!)」と言われ、痛いけど痛くない振りをしてなんとか時間稼ぎをして、その内にクルマをゲットしてなるべく安静にしたらやっとgetting betterとなりました。
普段は家にいる家族は、同じレジデンスの学生や管理人とコミュニケーションをとるようになって(イタリア語や英語を駆使して)、最近ではうちの娘はよく遊んでもらっています。留学された先生達が言われるように、なんだかんだ生活が立ち上がって慣れてくるのに3から5ヶ月程度はかかりました。
管理人ダニーロと遊んでいる娘
毎日の食事はもちろん?パスタが主食ですが(いろいろな種類があり、とても美味しいので飽きない)、Paviaがあるロンバルディア州はお米の一大産地であるので、こちらではリゾットもかなり食べています。ただ日本のお米とは違うので、最初に持参した日本米(9㎏)を持参したお釜で炊いています。
しかしお米は早々になくなり、途中一時帰国した時やイタリアに来る人たちにお願いしてその都度運んでもらいました。(お米以外にもこちらではゲットできない支援物資も)基本的にグルメなイタリアはAntipastoからDolceに至るまで美味しいもの揃いで、家ではほぼ毎日5ユーロ前後のテーブルワインを飲んでBuonappetito!してますが、やはり日本食は恋しくなるのです。カレーを月に1回、夏はそうめん、冷やしうどん。切り干し大根の煮物、おひたしやゴマ和えなど。味噌汁は週に3回。
日本食がなくなって困った頃に玄関の前に見慣れない生食のダンボール箱が置いてあり、中を見るとPaviaを紹介してくれた草場先生からの支援物資がたくさん入っていました。感謝感謝。以前、材料を集めて太巻きを学生に教えてあげたら大好評でした。(もちろん奥さんが作った)こちらでは結構人気あるみたいで、Japanese Restaurantがかなり多い。
仕事に関しては、ほぼ毎日教授の手術(THA、TKA、revision)の助手を務め、外来や入院患者を一緒に診させてもらっています。教授は丁寧に指導してくれます。人工関節分野では世界的に高名な先生ですが、元々はスポーツ分野を専門にしていたこともあり、2年前までセリエAのインテル(長友が所属)をみていたことなど、イタリアのトップアスリート達が教授の手術を受けに来院しています。
また僕自身がknee revision meetingに参加する機会を頂き、教授は自らlive surgeryを行っていました(全部で2日間6件のlive surgery !!)。日本ではまだrevision surgeryは少ないけど、海外ではではとても多い(初回の年齢が若い)からその分、診断方法や手術手技のオプションが豊富でした。とても勉強になる会でありました。
9月の初めには日本からSICOT(国際整形外科会議)in Roma参加のために高木先生を隊長として、佐藤敦、前川、川島が渡伊となりました。着いた翌日にサンマッテオ病院で朝カンファ、教授の手術見学、手洗い、熱いdiscussion。Pavia観光の後に教授の自宅でディナーという充実した1日を過ごしていました。教授のおもてなしやお気遣いには頭が下がる思いです。
イタリア語を話せるかというと、正直厳しいです。カンファレンス中や手術中はなんとか画像や専門用語が限定なのである程度分かりますが、日常会話になると途端に蚊帳の外となってしまいます。くじけずに頑張るのみです。
週末はのんびりしたり、夏休みは世界遺産であるドロミテや避暑地のマッジョーレ湖などを訪れ、イタリアのバカンスを楽しみました。
イタリアに来てたくさんのことを経験させてもらっています。Visaや滞在許可書がなかなか取得できなかったことや、言葉の問題など苦労したことは山ほどありましたが、今となればそれも良い経験だと思っています。それ以上に壮大な美しい風景や芸術が僕たちを魅了し、イタリア人の優しさに触れ、多くの人に助けられていることを実感できました。
あと半年というよりももう半年という気持ちですが、今後もしっかりと勉強して、留学生活を楽しみたいと考えています。最後になりましたが留学に際し御尽力を頂いたすべての方にこの場をお借りし、心より感謝申し上げます。
Arrivederci. Ci vediamo piu tardi.
昭和大学藤が丘病院整形外科
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