股関節

股関節

股関節班の現在班員構成としては、人工股関節置換術・人工股関節再置換術を専門とする渡邉実講師、石川翼助教、その他に医師2名が主に担当しております。
取り扱う疾患として、欧米に比べ日本に多く発生する臼蓋形成不全に伴う二次性変形性股関節症などの成人股関節疾患、大腿骨頭壊死症、発育性股関節脱臼、ペルテス病や大腿骨頭すべり症等の小児股関節疾患含め股関節疾患全般の診療を行っております。
手術は水曜日、金曜日を中心に年間約200~300症例に行っており、小児から成人の関節温存手術(寛骨臼形成術、大腿骨頭回転骨切り術、弯曲内反骨切り術)と人工股関節置換術(セメント、セメントレス、進入路としては主に前方、症例により後方侵入)から再置換術まで行っております。最も手術症例の多い人工股関節置換術は、症例に応じた低侵襲手術を心掛けており、「Forgotten joint」(日常生活で手術した関節を意識しない)を追求し日常診療、研究を行っております。

代表的な疾患と治療

変形性股関節症

変形性股関節症は一次性と二次性に分類されます。一次性は原因不明の関節症であり、加齢による 退行変性や過負荷(肥満)などが原因と考えられています。二次性は生まれつきの先天異常または後天的疾患に続発し発症します。本邦では先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全に起因する二次性のものがほとんどです。

変形性股関節症の代表的な治療法

消炎鎮痛剤・リハビリテーションによる保存的治療。臼蓋形成術、大腿骨骨切り術による骨温存手術。人工股関節等の手術加療があります。特に人工股関節置換術は昨今のインプラントの進歩により使用される年齢も徐々に拡大しております。手術の一番の目的は「痛みを取ること、和らげること」です。脚長差についても可能な限り補正を行いますので、歩容の改善のみならず、隣接関節である腰痛膝痛の改善も期待できます。

人工股関節置換術についての詳細はこちら

症例:左変形性股関節症

左変形性股関節症
大腿骨頭壊死症

大腿骨頭への血流が途絶え大腿骨頭が阻血性に壊死を起こす病気です。
ステロイド全身投与歴や習慣性飲酒、喫煙などが関連因子となる特発性大腿骨頭壊死症や股関節脱臼や大腿骨頸部骨折のような外傷により大腿骨頭への血流が破綻する二次性の大腿骨頭壊死症があります。特に特発性大腿骨頭壊死症は青・壮年期に好発し、進行すると股関節機能障害をきたし歩行困難となる重篤な疾患で、未だその発生機序が解明されておらず厚生労働省指定難病疾患です。当院では高度圧潰を伴った大腿骨頭壊死症の関節温存治療のため他施設からご紹介頂いており適応があれば関節温存手術を積極的に行っております。

大腿骨頭壊死症の代表的な治療法

治療は消炎鎮痛剤・リハビリテーションによる保存的治療、大腿骨骨切り術等の骨温存手術、人工股関節置換術があります。大腿骨骨切り術は壊死し圧潰した骨頭を骨切りにより荷重部から逃し健常な部分を荷重部に移動させます。これにより荷重から逃れた壊死域の修復(再生)が期待されます。

大腿骨頭壊死症
大腿骨頭壊死症
人工股関節置換術

人工股関節置換術は、傷んでしまった股関節を人工の関節に取り替える手術です。
MIS(Minimum Invasive Surgery)は筋や靭帯組織等の周囲の正常組織のダメージを最小限にして行う手術です。当院では骨切り術や股関節周囲の骨折治療経験のある方を除いて前方アプローチにて手術を行うことで筋腱、関節包靭帯を温存する人工股関節置換術を積極的に行っております。これにより術後翌日より歩行訓練を開始し、早期に運動機能獲得、退院が可能となり、日常生活動作の制限しておりません。多くの患者様は術後1-2週間程度で退院レベルにリハビリを進める事が可能です。また、若年者に対しては骨温存型人工股関節の種類を使い分け、より患者様にあった治療を行っております。現在人工関節は成績が向上し、30年成績も発表されております。30年で94%のsurvival rate※を誇るステムやインプラントの正確な設置を目的としたコンピューターナビゲーションシステムを使用した手術も行っております。(※survival rate:インプラントの体内生存率)。

症例:右変形性股関節症

人工股関節置換術 手術前後

高度の変形により骨欠損が大きい場合、特に若年者の場合再置換時の骨温存も考慮し、手術時に摘出した自身の大腿骨頭を骨移植することで欠損部位を補填し、本来の骨頭中心を再獲得し、早期筋力回復、ポリエチレンへの応力集中を回避し、長期成績を良好にする試みをしております。

人工股関節再置換術

人工股関節再置置換術は、人工股関節置換術後・ゆるみ・脱臼・感染などのために、再手術を余儀なくされるものであり、細心の注意を払い手術を行っております。大きな骨欠損を伴うものが多く、Impaction bone graft法やサポートリングを用い、臼蓋再建を行っております。手術侵襲も大きくなることから、特に合併症のある患者様には大学病院としての利点を生かし、血管外科等の他科とも連携をしながら治療を進めていきます。術後全身状態が安定した際には隣接する藤が丘リハビリテーション病院に転院しさらなるリハビリを行う場合もあります。転院後も外来、手術を担当したスタッフが継続して入院診療を担当し、自宅退院まで責任をもって治療を行っております。

サポートリングを使用した再置換術 手術前後
Impaction bone graft法(臼蓋)  手術前後
Impaction bone graft法(大腿骨)  手術前後
骨切り術(大腿骨頭回転骨切り、弯曲内反骨切り 寛骨臼形成術)

主に大腿骨頭壊死症に対して関節温存手術症例が多いのも当院の特徴です。壊死し圧潰した骨頭を骨切りにより荷重部から逃し健常な部分を荷重部に移動させます。これにより荷重から逃れた壊死域の修復(再生)が期待されます。高度な技術を要する手術ですが、壊死域の評価と正確な骨切り、術後成績の向上を目的としてコンピューターナビゲーションシステムを使用する取り組みも行っております。

大腿骨骨切り術後 手術前後
大腿骨骨切り術後 手術前後

手術中に使用するコンピューターナビゲーションシステム

手術中に使用するコンピューターナビゲーションシステム

コンピューターナビゲーションシステムを使用した骨切り術のイメージ

コンピューターナビゲーションシステムを使用した骨切り術のイメージ

スタッフ

講師

渡邉 実

MINORU WATANABE

専門領域

●股関節外科

認定医・専門医など

●日本整形外科学会専門医

●日本整形外科専門医認定リウマチ医

●日本整形外科学会運動器リハビリテーション医

●日本人工関節学会認定医

●義肢装具等適合判定医

●身体障害者福祉法第15条の規定に基づく指定医

●臨床研修指導医

助教

石川 翼

TSUBASA ISHIKAWA

専門領域

●股関節外科

認定医・専門医など

●日本整形外科学会専門医

●日本整形外科学会スポーツ医

●日本整形外科専門医認定リウマチ医

●義肢装具等適合判定医

助教

田邊 智絵

SATOE TANABE

専門領域

●股関節外科

●小児整形

認定医・専門医など

●日本整形外科学会専門医

●難病指定医

国内留学中

本多 孝行

TAKAYUKI HONDA

専門領域

●股関節外科

認定医・専門医など

●日本整形外科学会専門医

兼任講師

玉置 聡

SATOSHI TAMAOKI

専門領域

●股関節外科

認定医・専門医など

●日本整形外科学会専門医

●日本整形外科学会認定リウマチ医

●日本整形外科学会運動器リハビリテーション医

●日本人工関節学会認定医

実績

201420152016201720182019
骨切り術(回転骨切り、弯曲内反骨切り等) 5 21 11 16 16 11
人工股関節全置換 (THA) 119 115 139 163 209 209
人工膝関節再置換術 2 1 12 18 14 11
抜釘 54 33 10 12 14 16
寛骨臼形成術 - - - - - 6
股関節その他 6 11 15 15 22 17
合計 232 187 187 224 275 270

受診される方へ

高度な専門医療を提供するため、
原則的に紹介外来制をとっています。
紹介状をお持ちでない患者様には、保険診療分とは別に選定療養費が必要となります。
初診時にはなるべく近隣の医療機関からの紹介状をお持ち下さい。
受診時の持ち物・診察の流れ等に関しての詳細は、病院ホームページにてご確認ください。

股関節班からのお知らせ

  • 股関節 膝関節

    第51回日本人工関節学会(横浜 2021.7.7-8.)で発表を行います

  • 股関節

    第47回日本股関節学会(四日市 10.23-24/ハイブリッド開催)で発表を行います。

  • 股関節

    第49回日本人工関節学会で発表を行います。

交通アクセス

昭和大学藤が丘病院整形外科

〒227-8501 神奈川県横浜市青葉区藤が丘1-30
TEL:045-971-1151(代表)

昭和大学藤が丘リハビリテーション病院

〒227-8518 神奈川県横浜市青葉区藤が丘2-1-1
TEL:045-974-2221(代表)

関連リンク