私にとって一番大きなきっかけとなったのが、自分自身が膝の手術を経験したことです。大学5年時に、所属していたバスケットボール部の練習で右膝の前十字靭帯を断裂してしまい、6年生で手術をしたことです。
初めて手術台に寝たときの恐怖や、手術が終わり、術後のきれいな傷口を見たときに、自分の膝に（新しい）我が子が宿ったような（笑）そんな嬉しい感情は今でも鮮明に覚えております。
　この経験から、私が怪我で悩む人の力になりたいと思いました。そして、整形外科手術のほとんどが、手術をして終わりではないということや，術後のリハビリによって機能を回復してゆく過程も同じく重要であることこそが，整形外科という分野・領域の面白さであると感じ、整形外科医になろうと決めました。

当医局は週に一度、医局会が開催されます。そこでは，学会等の予演会が行われるのですが，先輩方の専門性の高い発表に大変刺激を受けます。学術活動を積極的に行なっている先輩方の姿をみていると、興味をもった分野に関して深く追求でき、医局員全員でそれを応援するような環境がこの医局には根付いているのだと感じます。意地悪な先生は一人もいません

入局当初、外来診療が大変苦労しました。患者の愁訴ごとにどのような所見をとればいいのか、どのような検査をすればいいか、そして疑わしい疾患に対してどのようにマネジメントしていけばいいのか，悩める日々を過ごしました。入局１年時は外来を上級医と一緒に診療にあたるため、そういった疑問に対して、その都度相談し、また他の先輩方の診療録を参考にしながら少しずつ覚えました。

　新専門医制度になり，地域医療施設での研修が必須となりました。私は入局し２年目となり、地域枠として現在静岡県にある静岡医療センターで勤務させていただいております。いわゆるCommon Diseaseといわれる一般外傷を中心に，ほとんどの症例に対して執刀手術のチャンスを頂き、充実した日々を過ごしております。

先生方が専攻科や医局選びに悩む理由は様々かと思います。実際に見学に来ていただきその悩みを聞かせてください。なにか少しでもアドバイスできれば幸いです。