足の外科

足の外科

当院では長らく足の外科分野では専門性が限定されていたため手術治療を行っていたのは一部の疾患のみでした。2019年度の手術件数は35件ほどですが徐々に増えてきています。足の外科領域は未開拓の部分も多くこれからますます治療法が発展する分野であり、当院では海外も含め学会活動や論文作成にも力を入れています。
足の外科班の代表である村上は2018年度に足の外科分野では国内有数の機関である奈良県立医大に1年間国内留学し足の外科分野での多くの研鑽を積んでまいりました。2019年度から当院に勤務し、手術治療を始めインソールなどの装具治療や注射などの薬物治療を行っています。またリハビリ加療が必要な患者さんには近隣のクリニックへ紹介しリハビリテーションを行っております。

代表的な疾患と治療

外反母趾

ハイヒールなどの靴の影響もあり外反母趾は女性に多い疾患です。また外反母趾により他の足趾にも変性、痛みが出現する事があります。足趾体操などの保存加療で疼痛が改善しない場合は手術療法を行います。矯正する方法としては骨を切って矯正し固定する方法や関節を固定し矯正する方法があり、重症度によって術式を使い分けています。

外反母趾手術前後

変形性足関節症

股関節や膝関節で多くみられ関節の軟骨がすり減ってくる病態です。手術治療としては関節固定術、骨切り術、人工関節置換術があり、患者さんの年齢、活動性に合わせて術式を選択していきます。

足関節靭帯損傷

足関節捻挫の大半は手術をしない保存加療でも治癒しますが、2,3割の方が足関節の不安定性や疼痛が残る事があります。当院では残存している靭帯の程度に応じて、関節鏡視での縫合や人工靭帯や自家腱(自分の膝の腱)を用いた再建術を行います。

足関節インピンジメント症候群

足関節の前側や後側の骨の出っ張りなどにより足関節を動かす際に骨と骨や軟部組織が挟まり込み疼痛の原因になる疾患で、サッカー選手やバレリーナに多いといわれています。リハビリや注射などの保存加療で症状に改善がなくスポーツ活動に支障をきたす場合には手術加療を行います。手術は関節鏡にて衝突の原因となっている骨を切除します。

足関節インピンジメント症候群手術前

手術前

足関節インピンジメント症候群手術後

手術後

アキレス腱断裂

アキレス腱断裂はスポーツをする若年者に多く発生する傷害の1つです。手術をしない保存療法でも断裂部の癒合は得られますが、固定期間の短縮やスポーツ復帰を望む方には手術を勧めています。
アキレス腱の手術の問題点としては傷の治りを遅さや感染などの問題点がありますが、当院では約5cmの傷で手術を行いそれらの合併症を減らしています。

アキレス腱断裂

代表的な治療について

足関節・足部疾患は外反母趾、扁平足、変形性足関節症などの変性疾患や足関節靭帯損傷、足関節インピンジメント症候群、アキレス腱障害・断裂などのスポーツ傷害など多岐に渡ります。疾患の多くはインソールなどの装具治療、理学療法などのリハビリ治療、投薬、注射などの薬物療法により症状が改善します。しかし、何割かの患者は症状が改善せず、日常生活・スポーツ活動に支障をきたします。その様な患者さんに当院では手術による症状改善を図っております。

手術療法では部位によっては関節鏡による低侵襲手術を行い日常生活やスポーツ活動への早期復帰を目指しています。また麻酔方法も術式によっては麻酔を全身麻酔ではなく超音波ガイド下伝達麻酔を行っています。全身麻酔と比較し合併症が少なく手術直後より車いすに乗ったりトイレに行く事が可能で患者さん自身の負担の少ない麻酔方法も選択可能です。足部・足関節疾患は整形外科の他の分野と比較し専門にしている整形外科医が少なく、どこの病院を受診していいかお困りの方が多いかと思います。足の事でお困りの方は是非一度受診してみて下さい。

スタッフ

講師 副医局長

村上 悠人

YUTO MURAKAMI

専門領域

●足部・足関節 ●小児整形

認定医・専門医など

日本整形外科学会専門医

実績

2015201620172018201920202021
外反母趾 (外側趾矯正含む) - - - - 1 9 14
有痛性外脛骨 - - - - 2 0 1
鏡視下手術 - - - - 5 4 4
人工距骨置換術 - - - - 0 1 0
扁平足矯正手術 - - - - - - 1
アキレス腱断裂手術 - - - - - - 7
骨切り術 - - - - - - 1
固定術 - - - - - - 4
足部・足関節その他手術 - - - - 17 16 14
合計 - - - - 25 30 46

受診される方へ

高度な専門医療を提供するため、
原則的に紹介外来制をとっています。
紹介状をお持ちでない患者様には、保険診療分とは別に選定療養費が必要となります。
初診時にはなるべく近隣の医療機関からの紹介状をお持ち下さい。
受診時の持ち物・診察の流れ等に関しての詳細は、病院ホームページにてご確認ください。

⾜の外科班からのお知らせ

  • 足の外科

    第47回日本足の外科学会 (松山 11.3-4.)で発表を行います

  • 足の外科 外傷・手の外科

    第65回日本手外科学会学術集会(北九州市4.14-15)にて発表を行います

  • 足の外科 外傷・手の外科

    第35回日本四肢再建・創外固定学会(奈良 3.11-12.)で発表を行います

  • 足の外科

    第45回日本足の外科学会 (11.26-12.13/Web開催)で学会発表を行います。

交通アクセス

昭和大学藤が丘病院整形外科

〒227-8501 神奈川県横浜市青葉区藤が丘1-30
TEL:045-971-1151(代表)

昭和大学藤が丘リハビリテーション病院

〒227-8518 神奈川県横浜市青葉区藤が丘2-1-1
TEL:045-974-2221(代表)

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