上肢班は、昭和大学藤が丘病院と昭和大学藤が丘リハビリテーション病院の両病院において、外来診療および入院・手術治療を行っております。
肩関節、肘関節を専門にしており、スポーツ外傷・障害および腱板断裂や変形性肩関節症、肘部管症候群などの変性疾患が主な対象疾患です。
横浜少年野球肘検診担当医、千葉ロッテマリーンズのメディカルチェック担当医(~2018年)を努めたり日本体育大学と連携していることもあって野球選手を始め、スポーツ選手、小学生からプロ野球選手まで様々なレベルの選手が来院します。2015年4月にリハビリテーション病院に発足した昭和大学スポーツ運動科学研究所とも深く関わっておりスポーツ整形関連では臨床のみならず研究も大いにできる環境です。
手術に関しては、肩では反復性肩関節脱臼、腱板断裂に対する鏡視下手術を、さらに人工肩関節を中心に数多くの症例をこなしています。反復性肩関節脱臼に対しては主に鏡視下Bankart法を行っていますがラグビーなどコンタクトスポーツではより再脱臼率の低い鏡視下Bankart+Bristow法を選択し良好な手術成績を得ています。投球障害肩に対しては関節鏡視下手術を行っています。
肘・手ではスポーツ外傷・障害の内側側副靱帯損傷や肘離断性骨軟骨炎、肘骨棘障害・遊離体などに対して手術を行っています。肘においても関節鏡で対応出来る症例は極力鏡視下手術を行うようにしています。肘部管症候群など末梢神経障害に対する手術も多く行っています。これらの手術症例は年間300例程度です。
また整形外科、特に関節外科では手術の有無にかかわらず運動療法を中心にしたリハビリテーションが治療成績を左右する非常に大事な要素となりますが、リハビリテーション病院は理学療法士・作業療法士のリハビリスタッフが充実しており上肢疾患の治療に適した環境が整っています。そのため他施設から整形外科医や臨床研修医、医学部学生、理学療法士の見学者が多く訪問しています。
研究概要
研究活動ではスポーツ障害肩肘や変性疾患の臨床成績、理学療法士との連携による運動療法や特殊な手法を使った肩のバイオメカニクス解析結果などを学会にて積極的に発表しています。 国内では日本整形外科学会を始めとして、日本肩関節学会、日本肘関節学会、日本手外科学会、日本整形外科スポ-ツ医学会、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会などでの発表が多く、国際学会へも積極的に参加しており、主に国際肩肘関節外科学会、アジア肩関節学会、ORS(Orthopaedic Research Society)などで発表を行っています。また、米国、英国、国内様々な方面への留学実績があります。
メンバー紹介
教授 | 西中 直也昭和大学保健医療学部理学療法学科・スポーツ運動科学研究所所属
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講師 副医局長 |
鈴木 昌
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助教 | 田鹿 佑太朗
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助教 | 八木 敏雄
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助教 | 木村 亮介 |
手術件数
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | |
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関節鏡下 Bankart法 |
65 | 62 | 47 | 47 | 49 | 37 |
鏡視下 Bankart & Bristow法 |
18 | 4 | 8 | 1 | ||
鏡視下腱板修復術 | 60 | 73 | 81 | 51 | 72 | 77 |
鏡視下肩関節授動術 | 5 | 14 | 23 | 23 | 11 | |
上方関節包再建術 | 4 | 2 | 2 | |||
投球障害肩に対する 鏡視下手術 |
6 | 3 | 4 | 8 | ||
人工肩関節(リバース型含む) ・骨頭置換術 |
15 | 20 | 17 | 24 | 22 | |
肩鎖関節脱臼に対する 関節制動術 |
4 | 5 | 5 | |||
尺骨神経移行術 | 13 | 15 | 11 | 5 | 6 | 4 |
投球障害肘に対する手術 (肘内側側副靱帯再建術など) |
5 | 1 | 1 | 4 | ||
肘離断性骨軟骨炎に対する手術 (肋骨肋軟骨移植術・骨釘移植術など) |
4 | 4 | 5 | 3 | 5 | |
肘内外上顆炎手術 (鏡視下手術など) |
8 | 8 | 22 | 11 | 11 | 9 |
鏡視下肘関節授動術 | 7 | 3 | 1 | 2 | 1 | 3 |
鏡視下肘関節ねずみ摘出・骨棘切除術 | 8 | 7 | 6 | 2 | 13 | 3 |
手根管開放術(鏡視下・直視下) | 37 | 39 | 22 | 14 | 17 | 6 |
その他 | 58 | 57 | 53 | 70 | 49 | 48 |
合計 | 260 | 288 | 306 | 263 | 288 | 245 |